相続放棄で車は処分できる?廃車・売却・名義変更の注意点
相続放棄
2026.10.31
相続放棄を考えている場合、故人の車を自己判断で売却・廃車・名義変更することは避けましょう。
まず車検証とローン契約を確認し、所有者や相続人の状況に応じて対応を決めることが大切です。
古い車や査定0円の車でも、自由に処分できるとは限りません。車の片付けを待たず、相続放棄の手続きの準備も進めましょう。
この記事では、車の所有者・ローン別の対応、処分してしまった場合の対処、保管や税金の注意点、相談先を解説します。
- 故人の車を勝手に売却・廃車しない
- 処分方法は所有者や相続人の状況で変わる
- 古い車・査定0円の車でも処分できるとは限らない
- 処分してしまったら日時・書類・お金の動きを整理する
- 放棄後も車の引渡しまで保管が必要な場合がある
- 自動車税や保険料は故人の債務と自分の負担を分ける
- 車の処分可否やトラブルは弁護士へ
- 相続放棄と車の処分に関するFAQ
- 車を処分する前に、所有者と引渡し先を確認しよう
相続放棄するなら、故人の車を勝手に売却・廃車しない

故人の車の売却や解体が、相続財産の処分に当たる場合があります。
その行為が「単純承認」に当たると、財産だけでなく借金なども引き継ぐ扱いになるため、処分前の確認が必要です。
相続放棄の前に故人の財産を売却した場合だけではなく、放棄した後に財産を隠したり自分のために使ったりした場合には、単純承認に当たります。
法テラスの「相続放棄とはどのような手続ですか?」が示すように、申述が受理されても、相続放棄の有効性が後の裁判で争われる場合があります。
受理後も車を自由に処分してよいわけではありません。
すでに行ったことと今後の予定を分け、日時・内容を整理して相談しましょう。
借金だけを放棄して、車だけを相続することはできない
相続放棄は、故人の財産上の権利・義務を一切受け継がない選択です。
借金だけを放棄して車を相続したり、車だけを放棄して預貯金を相続したりすることはできません。
親族に「相続しない」と伝えたり、遺産分割で何も受け取らないと決めたりすることは、ここでいう相続放棄手続きにはなりません。
裁判所の「相続の放棄の申述」のとおり、原則として自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所への申述が必要です。
車の引取りを待つだけでは、期限は延びません。財産を調べても相続するか決められない場合は、期限内に裁判所の「相続の承認又は放棄の期間の伸長」の申立てを検討しましょう。
車の名義変更を求められたときは、放棄を検討中・申述中・受理済みのどの段階かを、相手に正確に伝えてください。
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相続放棄の期限と申述手続き
自分名義への変更や乗り続ける行為も、相続放棄に影響することがある
車を売らなければ問題がない、というわけではありません。
故人の車を自分が相続したものとして名義変更する行為も、相続放棄への影響を確認する必要があります。
日本司法書士会連合会の「相続放棄をしたらどうなる?手続と注意点を徹底解説」でも、車の廃車や自分名義への変更は、相続放棄ができなくなるおそれのある行為として挙げられています。
通勤や買い物などで自分の車として乗り続ける場合も、使用の目的・程度・時期を含めた確認が必要です。
「古い車だから使ってよい」とは考えないようにしましょう。
ただし、駐車場から撤去を求められ、別の場所へ保管するために車を移すことは、通勤や買い物で乗り続けることとは分けて判断します。
保管のための移動でも、相続放棄への影響や運搬方法を事前に確認しましょう。
軽自動車も普通車と同じく、勝手に廃車・名義変更しない
軽自動車でも、故人の所有物なら相続財産としての取扱いを確認します。
車両の手続き自体は普通車と軽自動車で異なります。
普通車よりも手続きが簡易だとしても、自由に処分できるわけではありません。
普通車の相続手続きは国土交通省・関東運輸局の「自動車の相続による手続き」、軽自動車の名義変更は軽自動車検査協会の「名義変更」で確認できます。
大切なのは、書類をそろえる前に、誰がどの立場で手続きをするのかを確認することです。
名義変更や廃車の手続きが受け付けられても、相続放棄への影響がないとは限りません。
車の処分方法は、所有者・ローン・相続人の状況で変わる

故人が使っていた車でも、所有者が故人とは限りません。
車検証と契約内容を確認し、返却先や引渡し先を絞り込みましょう。
| 確認できた状況 | 次に確認・相談すること |
|---|---|
| 販売店・ローン会社等が実際の所有者 | 契約内容、返却・引取り方法、残債や精算金の扱い |
| 故人が所有者で、相続する人がいる | 車を受け取る権限のある相手と、鍵・書類を含む引渡し方法 |
| 故人が所有者で、相続する人がいない | 相続財産清算人の選任など、財産を管理・清算する方法 |
| 所有者や相続の状況が分からない | 車検証、契約書、相続放棄の状況を整理し、不明点を確認 |
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契約書がない場合も、分かる情報から購入先や借入先へ連絡してください。
車検証の「所有者」と契約書を確認する
車検証では、「使用者」だけでなく「所有者」を確認してください。
故人の名前が使用者欄にあっても、販売店やローン会社が所有者になっている場合があります。
国土交通省の「電子車検証について」によると、電子車検証では所有者の氏名・住所が券面ではなくICタグに記録されています。
電子車検証を見ただけで所有者が分からないときは、車検証閲覧アプリや、自動車検査証記録事項で確かめましょう。
あわせて、購入契約書、ローン・リース契約書、残債や完済を確認できる資料を照合します。確認する項目は、所有者、契約者、支払者、残債の4点です。
なお、返済が終わっても、名義の整理が残っていることがあります。
ジャックスの「オートローン完済時の所有権解除のお手続き」では、ジャックスが車検証上の所有者となっている場合、完済後に所有者名義を変更する手続きが必要とされています。
所有者の名義と契約内容が食い違う場合は、完済状況を含めて契約先へ確認してください。
販売店・ローン会社が所有者なら、返却を相談する
契約上の所有者が販売店・ローン会社などであれば、その相手に返却方法を相談します。
死亡と相続放棄の状況を伝え、引取りの担当者、場所、費用、必要書類を確認しましょう。リース車も、まず契約先への連絡が必要です。
特に注意したいのは、車を返す手続きと、残債を誰が支払うかという問題を分けることです。
| 返却前の確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 引取り | 誰が車を運び、どこへ返し、費用を誰が負担するか |
| 残債 | 車を返した後に残る金額と、その請求の根拠 |
| 精算金 | 車の評価額が残債等を上回った場合、誰に帰属するお金か |
| 署名書類 | 返却確認だけか、債務の引受けや支払いの約束を含むか |
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あなた自身がもともと保証人や共同の契約者である場合、その契約上の義務は相続放棄とは別に検討します。
「親族だから払う」「放棄したから本人の保証も消える」と決めず、請求書と契約書を照合してください。
故人が所有者なら、ローンが残っていても相続財産として扱う
ローン返済中でも、故人が所有している車は相続財産です。「ローンがあるので会社へ返せばよい」とは限りません。
例えば、三菱UFJ銀行のマイカーローンに関する解説では、金融機関のマイカーローンはローン契約者が車の所有者になる仕組みが説明されています。
借入先の種類だけで判断せず、実際の所有者と契約を確認しましょう。
故人の車を勝手に売り、その代金でローンを返済すると、車の処分と相続財産からの返済が問題になります。
借金を減らす目的でも、自由に進めてよいわけではありません。
相続する人がいる場合は、その人への引渡しを相談する
他に相続する人がいる場合は、受け取る権限を確認し、車の引渡しを調整します。
子ども全員が放棄しても故人の父母などが相続人になる場合があるため、配偶者や他の順位の相続人も含めて確認しましょう。
相続放棄をした人は、自分が車を相続する内容の遺産分割協議書には署名しないでください。保管中の車を、相続する人などへ引き渡すこととは別の行為です。
引渡し時は、車両番号・日付・相手の氏名と立場・鍵や書類の受渡し内容を記録してください。
保存義務がある場合は、連絡だけでなく実際の引渡しまで調整が必要です。
古い車・査定0円の車でも、処分できるとは限らない

「古い」「動かない」「査定0円」という情報だけでは、廃車の可否を決められません。
車の経済的な価値、処分にかかる費用、手続きを行う人の権限を分けて確認しましょう。
国税不服審判所の「令和2年4月17日裁決」では、相続財産の「処分」を判断するうえで、経済的価値を減少させる行為かどうかが関わるとされています。
ただし、この裁決は無価値車の廃車を直接判断した事例ではありません。
無価値と評価される車の廃棄が単純承認に当たるかは、具体的な事情に即した判断です。
査定額だけで結論を出さず、以下の資料をそろえて確認してください。
年式や故障だけで無価値と決めず、査定書を残す
車の価値は、年式や動くかどうかだけで判断しないことが重要です。
「中古車としては買い取れない」という回答と、部品・資源を含めた評価が0円であることは、必ずしも同じではありません。
査定を依頼するときは、評価対象と費用の扱いを確認しましょう。
次の情報を一緒に残しておくと、何を根拠に評価したか説明しやすくなります。
| 残す情報 | 内容の例 |
|---|---|
| 車の特定情報 | 車種、年式、走行距離、ナンバー、車台番号 |
| 車の状態 | 故障箇所、事故の有無、外装・内装の写真 |
| 査定の根拠 | 査定日、事業者名、評価額、評価した内容 |
| 処分に必要な費用 | 運搬費、解体費、保管費等の見積もり |
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「新車から10年たった」「会計上の減価償却が終わった」といった事情は、そのまま処分可能の基準にはなりません。
複数の査定を取る場合も、何社分あれば法的に安全というものではない点に注意してください。
依頼するのが査定だけなのか、車の引取り・売却・解体まで含むのかも明確にしておきましょう。
廃車費用で手残りが0円でも、車の価値が0円とは限らない
手元にお金が残らなくても、車そのものに価値がないとは限りません。
買取額と費用を相殺する場合は、総額だけでなく内訳を確認してください。
例えば、次のようなケースを考えます。金額は説明のための仮定です。
| 項目 | 仮定の金額 |
|---|---|
| 車の査定額 | 30,000円 |
| 運搬等の費用 | 30,000円 |
| 手元に残る金額 | 0円 |
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この例では、入金が0円でも車には3万円の評価が付いています。「無料引取り」という説明だけでは、無価値かどうかを判断できません。
費用を誰が、どのお金から払うかも確認しましょう。自分のお金で費用を負担しても、車を自由に処分できるわけではありません。
査定0円でも、廃車書類への署名や名義変更を急がない
廃車書類は、誰がどの立場で署名し、何を依頼する内容なのかを確認してください。
自分が車の取得者として記載されていないか、売却や名義変更を任せる委任状ではないかが確認点です。
車の解体と登録の抹消は別の手続きですが、名義変更や抹消登録をせずに解体しても、相続財産の処分として問題になる場合があります。
業者には相続放棄の状況を伝え、書類と依頼内容の説明を求めましょう。
手続きが受け付けられることと、相続放棄への影響がないことは別です。
書類の内容が相続放棄に影響しないか迷う場合は、署名前に、相続放棄を扱う専門家へ確認しましょう。
車を処分してしまったら、日時・書類・お金の動きを整理する

すでに売却・廃車・名義変更をしていても、「もう相続放棄できない」と自己判断する必要はありません。
行為の時期・内容・認識、代金の扱いを整理して、個別の法律相談へ進みましょう。
相談時には、相続放棄の申述・受理と、車の契約・引渡し・解体・入金の前後関係を伝えることが重要です。
まず、次の資料を分かる範囲で用意してください。
| 整理する内容 | 残しておく資料 |
|---|---|
| いつ、何をしたか | 売買契約書、廃車依頼書、委任状、日付入りメモ |
| 車の状態・価値 | 写真、査定書、見積書 |
| 代金・費用の動き | 領収書、振込明細、口座履歴 |
| 相続放棄の進行状況 | 申述書控え、受理に関する書類 |
| 相手から求められたこと | メール、LINE、撤去要請、請求書 |
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契約・引渡し・解体・入金の日付と、故人の死亡や自分が相続人になったことを知った時期を記録しましょう。
売却代金が残っている場合は、追加の使用や自己判断での移し替えを控え、保管状況を相談先に伝えてください。すでに使った場合も、使途と金額を正確に整理します。
代金を返したり名義を戻したりすれば、必ず解決するとは限りません。書類・連絡記録を残し、追加の対応前に相談しましょう。
申述や裁判書類への対応期限が近い場合は、資料がそろっていなくても、その期限を先に伝えてください。
相続放棄後も、車の引渡しまで保管が必要な場合がある

相続放棄をしたからといって、手元の車を直ちに放置してよいわけではありません。
放棄した時点での管理状況を確認し、必要な場合は相続人や相続財産清算人への引渡しまで保存します。
保存義務の有無は、放棄した時点の管理状況で判断する
民法940条の保存義務は、放棄時に相続財産を「現に占有している」場合に生じます。
衆議院掲載の「民法等の一部を改正する法律」では、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまでの保存が規定されています。
占有とは、物を事実上支配している状態です。車の所在地、鍵・書類の保管者、駐車場の契約者、使用・管理状況から判断するため、同居や鍵の所持だけでは決まりません。
保存が必要な場合は、車の状態を記録し、鍵・書類を保管して引渡しを調整しましょう。
保存義務があっても、自分の車として自由に使用・売却できるわけではありません。
駐車場から撤去を求められても、移動と廃車は分けて考える
車の移動を求められたことだけで、売却・解体してよいとは判断できません。
まずは撤去の理由、期限、車の状態、移動先を確認しましょう。
例えば、札幌の月極駐車場で、除雪作業に備えて車の移動を求められた場合を考えてみましょう。
仮定の例ですが、一時的な移動なのか、契約終了に伴う明渡しなのかを分けることが大切です。
| 移動前に確認すること | 確認する理由 |
|---|---|
| 撤去理由と期限 | 急ぐ必要性と、調整できる余地を把握するため |
| 移動先と保管条件 | 移動後の放置や、新たな保管トラブルを防ぐため |
| 作業の範囲 | 運搬だけの依頼が、売却・解体まで含まないようにするため |
| 依頼者と費用 | 誰が契約し、どの費用を負担するか明確にするため |
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保管のための移動に当たるかは、必要性や方法を踏まえて確認します。車検・保険・車両状態が分からないまま、自分で運転して移動することは避けてください。
期限が短い場合は、撤去要請の内容を記録し、所有者・相続人・弁護士等へ事情を伝えましょう。
相続する人がいない場合は、相続財産清算人の選任を検討する
相続する人がいない場合は、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらう方法があります。
相続財産清算人は、残された財産を管理し、故人の債務を支払うなどの清算を行う人です。
裁判所の「相続財産清算人の選任」では、相続人の存在・不存在が明らかでない場合に加え、全員が放棄して相続する人がいなくなった場合も対象です。
利害関係人などの申立てによって選任されるため、自動的に清算人が来て車を回収するわけではありません。
申立先は、故人の最後の住所地の家庭裁判所です。車が札幌にあるだけで、札幌家庭裁判所が申立先になるわけではない点に注意しましょう。
費用は、次のように分けて確認します。
| 費用の種類 | 金額・確認事項 |
|---|---|
| 申立ての収入印紙 | 800円 |
| 連絡用の郵便料 | 申立先の家庭裁判所で確認 |
| 官報公告料 | 約6,000円。家庭裁判所の指示後に納付 |
| 追加の予納金 | 相続財産で管理費用・清算人報酬等が不足する可能性がある場合、 裁判所から納付を求められることがある |
| 申立てを依頼する専門家への報酬 | 依頼内容に応じて別途見積もり |
| 車の運搬・保管等の費用 | 必要な作業と契約条件に応じて確認 |
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※裁判所への納付費用は、2026年10月の公式情報確認時点です。
予納金は事案によって異なり、全国一律の金額ではありません。
選任後は車の状態や保管場所を清算人へ伝え、引渡しを調整します。保存義務がある場合、選任されたという事実だけでなく、実際の引渡しまで確認することが大切です。
自動車税・駐車場代・保険料は、故人の債務と自分の負担を分ける

請求書が届いたという理由だけで、あなたが支払うべき費用とは決まりません。
故人の債務なのか、自分の契約に基づく負担なのかを確認し、車の処分可否とは分けて対応しましょう。
故人の未納の自動車税は、相続放棄で引き継がない
有効に相続放棄をした人は、故人の未納の自動車税を相続によって引き継ぎません。
ただし、放棄を考えているだけの段階と、手続きを終えた段階は区別する必要があります。
小田原市の「納税義務者の方がお亡くなりになった場合の手続き」でも、相続放棄の場合は納税義務の承継対象から除かれています。
税金の通知が届いたら、誰に請求されているのか、何年度のどの車の税金なのか、どの窓口から届いたのかを確認してください。
発行元へ死亡と相続放棄の状況を伝え、受理通知書・受理証明書等のうち、どの資料が必要かを問い合わせましょう。自治体ごとの提出方法を、全国共通の手続きとして考えないことが大切です。
札幌では、普通車の自動車税は北海道の「札幌道税事務所・自動車税部」、軽自動車税は札幌市の「軽自動車税」の担当窓口が確認先になります。税の通知への対応と、車の名義変更・抹消等の手続きは分けて確認してください。
「廃車するため、放棄した親族が未納税を必ず立て替える」と決めつける必要はありません。
自分に税金が請求されている場合は、その理由と支払う義務があるかを、通知を出した税の担当窓口へ確認しましょう。
駐車場代・保険料は、契約者と対象期間で支払い義務を確認する
駐車場代や保険料は、誰の契約で、いつの費用なのかを確認します。
故人の未払い分と、あなたが新たに契約した保管場所の料金は、同じ扱いではありません。
契約書、請求書、引落し口座を確認し、死亡の連絡、契約終了、支払い、返金をそれぞれ分けて相談してください。
相続放棄を理由に、あなた自身が結んだ契約の支払いまで当然になくなるとは限りません。
保険も、自賠責保険と任意保険を一括して「解約すればよい」とは考えないようにしましょう。損保ジャパンの契約者死亡時の自賠責保険の手続きは、法定相続人が保険を譲り受けて解約する場合を前提とした案内です。
相続放棄をした人が、そのまま法定相続人として署名・申請してよいわけではありません。
契約先に放棄の状況と車の保管・引渡し予定を伝え、手続きできる人、保険の扱い、費用をどのお金から払うかを確認してください。
故人に帰属する還付金・返戻金は、自分のお金として受け取らない
返金の案内が届いても、故人に属するお金を放棄した人が当然に取得できるわけではありません。
税金の還付や保険料の返戻は、誰に帰属する権利なのかを確認しましょう。
例えば、静岡県の「県税過誤納金等の還付請求権の相続に関する申立書」では、故人名義の県税還付金について、相続放棄を申述した人には支払えないとされています。実際の申請先・必要書類は、その還付を担当する自治体で確認してください。
保険の返戻金やローンの精算金についても、自分の口座を振込先に指定する前に、契約上の受取人と権利関係を確かめます。
誤って入金された場合は使わず、入金の経緯を記録して相手先へ連絡しましょう。
なお、札幌市の軽自動車税には月割課税制度がありません。
年度途中で廃車しても月割りで還付される仕組みではないため、「廃車すれば必ず税金が戻る」とは考えないでください。
車の処分可否やトラブルは弁護士へ|相談先と準備資料

車を処分してよいか、処分済みの行為に問題がないかという法律判断は、相続放棄に対応する弁護士へ相談しましょう。
裁判所提出書類の作成、車の登録、税の通知への対応は、必要な業務に応じて相談先を分けると進めやすくなります。
| 判断・依頼したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 処分の可否、実施済みの行為の評価、 債権者等との交渉・紛争 | 相続放棄・相続財産の取扱いに対応する弁護士 |
| 相続放棄申述等の裁判所提出書類の作成と、 その作成に必要な範囲の相談 | 司法書士・弁護士 |
| 対応する人と方針が決まった後の登録手続き | 運輸支局、軽自動車検査協会、 対応する行政書士等 |
| 自動車税等の通知・納税義務の確認 | 通知を発行した税の担当部署 |
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札幌弁護士会の「弁護士と司法書士の違い」で示されているように、司法書士の書類作成支援と家庭裁判所での手続代理は別で、司法書士は後者を行えません。
また、日本行政書士会連合会の「運送業・自動車」では、自動車の移転・抹消登録等の業務を確認できます。
相談には、車検証・記録事項、ローン等の契約書、査定・見積書、写真、請求書を用意しましょう。
保管場所と管理している人、相続放棄の進行状況、すでに行った処分も重要な情報です。
「何を相談すべきか分からない」ときは、次のように伝えると要点がまとまります。
相続放棄を検討中で、故人が使っていた車が駐車場に残っています。所有者やローンは確認中です。処分する前に、誰へ引き渡すべきかと、保管・移動で注意することを相談したいです。
撤去期限や裁判所から届いた書類の回答期限がある場合は、予約時に伝えてください。
札幌弁護士会の「法律相談の流れ」も、相談準備や予約方法の確認に利用できます。
正式に依頼する前には、法律相談だけか、交渉・書類作成・清算人選任の申立てまで含むのかを確認してください。
報酬と実費、追加費用の条件を分けた見積もりが、認識違いの防止に役立ちます。
依頼後は、引渡し・登録・費用精算の担当者と完了状況を確認し、関係書類を保管しましょう。
相続放棄と車の取扱いで、どこに相談すればよいかお困りの方は、相続相談ガイドへお問い合わせください。
資料がそろっていなくても、車の保管場所、相続放棄の進行状況、撤去などの期限を分かる範囲でお伝えください。
相続放棄と車の処分に関するよくある質問

書類不足や遠方居住などの事情があっても、分かる情報から対応を進められます。
ただし、それらの事情があることと、車を自由に処分できることは別です。
車検証や鍵が見つからなくても相談できますか?
はい。分かる情報から相談を始められます。
ナンバー、車の写真、税金の通知、購入先・ローン会社などを整理してください。
書類の再交付や鍵の手配は、申請・依頼する人の権限も確認する必要があります。
「放棄した親族なら誰でも手続きできる」と考えず、所有者や専門家、所管窓口へ確認しましょう。
資料不足のまま車の引取り・解体まで一括依頼しないことが大切です。
ローン会社が車を引き取ってくれない場合はどうすればよいですか?
引取りを断られただけでは、自分で処分してよいとは判断できません。
拒否の理由、所有権についての回答、完済状況、残債を確認しましょう。
「引き取らない」という回答と「所有権を放棄する」という回答は同じとは限りません。
やり取りを可能な限り文書で残し、契約内容と照合してください。
権利関係が分からないまま売却・廃車へ進まず、その回答を持って弁護士へ相談することが大切です。
車が遠方にあり、現地へ行けない場合はどう進めますか?
現地の情報収集と、電話・オンライン対応の専門家への相談から進められます。
例えば、車が札幌にあり本人は道外に住んでいる場合、写真、鍵・書類の保管者、駐車場からの連絡内容を集めましょう。
現地の協力者や業者には、写真撮影・査定・移動・処分のどこまでを頼むか明確にします。
遠方に住んでいることだけで保存義務の有無は決めず、相談方法と必要な原本も依頼先に確認してください。
相続放棄された車が自分の土地に残っている場合、処分できますか?
自分の土地にあるという理由だけで、車を自由に売却・解体することは避けてください。
車の所有者、相続人の状況、駐車場契約、これまでの連絡を整理し、撤去の進め方を弁護士へ相談しましょう。
相続する人がいない場合には、利害関係人として相続財産清算人の選任を申し立てられるかも確認します。
遺族から「全員放棄した」と聞いただけで処分せず、自分の立場に応じた方法を検討することが大切です。
まとめ|車を処分する前に、所有者と引渡し先を確認しよう
相続放棄に伴う車の処分は、所有者・契約・車の価値・相続人の状況を確認してから判断します。
古い車や査定0円の車でも、署名や廃車を先に進めないことが大切です。
まず車検証と契約書を確認し、返却先・引渡し先を整理しましょう。
処分済み、撤去期限が迫る、権利関係が分からない場合は、手元の資料から相談を始めてください。
車の対応に追われても、相続放棄の申述期限の確認を後回しにしないようにしましょう。
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