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相続放棄の手続きの流れと期限|必要書類・費用・自分でできる範囲まで解説

相続放棄

2026.07.08

相続放棄の手続きの流れと期限|必要書類・費用・自分でできる範囲まで解説

親や配偶者などが亡くなり、借金や管理に手間がかかる不動産がある場合、「相続放棄した方がよいのかどうか分からない」と悩む方も少なくありません。

相続放棄は、亡くなった人の財産や借金を引き継がないようにするための手続きです。原則3か月以内という期限や、故人の預金を使う・不動産や車を処分するなど、避けるべき行為も多く、慎重な判断が必要な手続きです。

本記事では、相続放棄の手続きの流れ、必要書類、費用、自分で進められるケース、専門家に相談すべきケースまでわかりやすく解説します。

この記事の結論

相続放棄の手続きで最初に確認すべきことは、次の3つです。

最初に確認すること確認する理由
3か月の期限に間に合うか期限を過ぎると原則として相続放棄が認められないため
財産と借金の内容相続するか放棄するか判断するため
相続財産に手をつけていないか相続放棄ができなくなるリスクがあるため

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相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います

費用は、申述人1人につき収入印紙800円分と郵便切手が基本です。必要書類は亡くなった人と相続放棄する人との続柄によって変わるため、裁判所の「相続の放棄の申述」を確認しながら準備する必要があります。

相続放棄の手続きは何から始める?まず確認すべきこと

相続放棄の手続きは何から始める?まず確認すべきこと

相続放棄を検討する場合は、「期限」を確認し、その期限内に「財産・借金」を把握できるか、「相続財産に手をつけようとしていないか(例 葬儀費用を預金から出そうとしている。)」を確認する必要があります

ここを間違えると、相続放棄がスムーズに進まなかったり、そもそも相続放棄ができなかったりする可能性があります。

相続放棄の期限に間に合うか確認する

相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に行う必要があります。これは民法第915条に基づいており、詳細は裁判所の「相続の放棄の申述」でも確認できます。

ここで重要なのは、必ずしも「亡くなった日から」ではないという点です。例えば、先順位の相続人が相続放棄をしたことで自分が相続人になった場合は、「自分が相続人になったことを知った日」が起算点となります。

いつまで相続放棄が認められるかは、限られた範囲で例外もありますので、「後から借金が見つかったけど、相続開始からもう3ヵ月が経ったからもう放棄はできない。」と自分だけで判断せず、一度専門家に相談することをお勧めします。

プラスの財産・マイナスの財産を確認する

相続放棄をするかどうかは、財産と借金の状況を確認してから判断します。プラスの財産だけでなく、借金や税金の未払い、保証債務などのマイナス財産も相続の対象になるためです

区分
プラスの財産預貯金、不動産、車、株式、投資信託、貴金属、家財など
マイナスの財産借金、カードローン、住宅ローン、税金、家賃、医療費、保証債務など
扱いに注意が必要なもの入院保険金・死亡保険金、空き家、山林、農地、古い車、価値不明の家財など

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生命保険金は、受取人の指定や契約内容によって扱いが変わります。受取人が指定された保険は、相続ではなく、その受取人に保険会社から直接支給されるものとして扱われるため、相続放棄しても受け取れます。

ただし、受取人が指定されていないものは、このような扱いにはなりません。保険だから受け取っても問題がないと一律に判断するのは危険です。

特に注意したいのは保証債務です。本人が借金をしていなくても、誰かの連帯保証人になっている場合は、相続人に請求が来る可能性があります。

一般的には、請求書等の郵便物、通帳の履歴、クレジットカード明細、信用情報の内容などを確認し、借金や請求の有無を把握していきます。ただし、これらの確認は、短期間ではできませんので、速やかに確認を開始する必要があります。

相続財産に手をつけていないか確認する

相続放棄を検討している場合は、故人の財産を使ったり処分したりしてはいけません

故人の預金を引き出して葬儀費用や病院代を支払う、故人の私物を処分する、不動産や車を売却処分する、これらを行うと、相続放棄ができなくなる可能性があります民法第921条では、一定の行為があった場合に単純承認をしたものとみなされます(=相続放棄ができなくなる)。

行為注意点
故人の預金を引き出して使う使用用途に関わらず、原則として相続放棄ができなくなる
車を売却・廃車する価値がない車でも原則として相続放棄ができなくなる
不動産を売却・建物を解体する売却すると相続放棄はできない
家財を売却する不用品の処分でも注意が必要
葬儀費用を故人の預金から支払う一部支出が認められるケースもあるが、状況によっては相続放棄ができなくなる可能性もあるため注意が必要

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一定程度の葬儀費用の支出や保存行為については、相続放棄に影響がない場合もありますが、本当に問題ないかは個別に判断する必要があります。不安がある場合は、事前に専門家へ相談することをお勧めします。

【一覧】相続放棄前のチェックリスト

相続放棄を検討している場合は、次の項目を確認してください。

チェック確認項目
自己のために相続の開始があったことを知った日を確認し、期限を確認した
故人の預貯金・不動産・車・株式などを確認した
借金・ローン・滞納税・保証債務の有無を確認した
生命保険金の受取人や契約内容を確認した
故人の預金を使っていない
車・不動産・家財を売却または処分していない
債権者から請求書や督促状が届いていないか確認した
他の相続人や次順位相続人への影響を把握した
必要書類を期限内に集められるか確認した
不安がある場合の相談先を確認した

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相続放棄とは?「相続しない」と伝えるだけでは不十分

相続放棄とは?「相続しない」と伝えるだけでは不十分

相続放棄とは、亡くなった人の権利や義務を一切引き継がないことです。他の相続人や支払いの請求してくる相手に「自分は相続放棄した」と伝えるだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。

特に第三者に相続放棄を認めさせるためには、家庭裁判所での手続きが必要不可欠です

相続放棄をすると借金も財産も引き継がない

相続放棄をすると、預貯金や不動産などのプラス財産も、借金や滞納金などのマイナス財産も引き継ぎません。裁判所の「相続の放棄の申述」でも、相続放棄は被相続人の権利や義務を一切受け継がない選択肢として説明されています。

相続放棄において注意が必要なのは、「借金だけ放棄して、預貯金や不動産だけ受け取る」ことができない点です

後から価値のある財産が見つかっても、相続放棄を撤回することはできません。相続放棄する前に、相続放棄したことを後悔しないように慎重に検討することが大切です

「相続しない」と伝えるだけでは相続放棄にならない

相続放棄は、相続人間で「財産はいらない」と話しただけでは成立せず、債権者からの請求を防げません。

相続放棄の方法内容借金への影響
家庭裁判所で相続放棄を行う誰に対しても相続放棄したと主張できる引き継がず、債権者も請求できない
遺産分割協議で取得しない旨の書面を残した相続人間の協議で財産を受け取らないと決める債権者からの請求を回避できない場合がある
口約束・念書他の相続人に一方的に「いらない」と伝える。他の相続人にも債権者にも相続放棄の事実を主張できない

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借金がある場合や相続人間で揉めごとが発生している場合は、家庭裁判所で相続放棄手続きを行った方が良いか慎重に検討しましょう

単純承認・限定承認・相続放棄の違い

相続が発生した場合、相続人は主に「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選ぶことになります。

選択肢内容向いているケース
単純承認財産も借金もすべて引き継ぐプラス財産が多い場合
限定承認相続で得た財産の範囲で借金を引き継ぐ債務額が不明だが、プラス財産が多い可能性がある場合
相続放棄財産も借金も引き継がない借金が多い、相続に関わりたくない、管理等で負担の大きい財産がある場合

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限定承認は、相続人全員で行う必要があるなど手続きが非常に複雑な制度です。

相続手続きは何から始める?流れ・期限・必要書類をわかりやすく解説

相続放棄の手続きの流れ【6ステップ】

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きは、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出して行います。大まかな流れを先に把握しておくと、必要書類の準備や相談のタイミングを判断しやすくなります。

基本の流れ「判断する → 書類を集める → 申述書を作る → 家庭裁判所へ提出する → 照会書に回答する → 受理通知書を受け取る」です。

1:相続放棄するか判断する
2:必要書類を集める
3:相続放棄申述書を作成する
4:家庭裁判所へ提出する
5:照会書が届き、これに回答する(ただし、現在は状況によっては省略されます。)
6:受理通知書が裁判所から送付される

ステップ1|相続放棄するか判断する

まず、相続放棄をするべきか判断します。

相続放棄を検討すべきケース理由
借金が多い相続すると借金も引き継ぐため
財産内容が不明でプラス財産がない後から大きな債務が見つかる可能性があるため
不要な不動産だけがある固定資産税や管理負担が続く可能性があるため
管理や売却ができない遠方の空き家がある管理・解体処分の負担が大きいため
相続人同士の関係が悪い相続トラブルに巻き込まれる可能性があるため
故人と疎遠だった財産や債務を把握しにくいため

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一方で、相続放棄をするとプラス財産も受け取れません。後から預貯金や不動産が見つかっても、撤回できないため、財産調査を行ったうえで慎重に判断しましょう

ステップ2|必要書類を集める

相続放棄手続きのためには、相続放棄申述書や戸籍謄本などが必要です。

共通して準備する書類には、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本などがあります。そのほかに必要となる書類は申述人の続柄によって変わるため、裁判所の「相続の放棄の申述」で確認しながら準備しましょう。

兄弟姉妹の戸籍集めは、非常に収集が難しくなる場合が多く、時間もかかります。

期限が迫っている場合は、戸籍がそろうまで待つのではなく、まずは専門家に相談してみることが重要です

ステップ3|相続放棄申述書を作成する

相続放棄申述書は、家庭裁判所に対して「相続放棄をしたい」という意思を伝える書類です裁判所の「相続の放棄の申述」には、相続放棄申述書の書式と記載例が掲載されています。

項目内容
申述人相続放棄をする人の氏名・住所など
被相続人亡くなった人の氏名・最後の住所など
相続開始を知った日自分が相続人になったことを知った日
放棄の理由借金が多い、財産が少ない、関わりたくないなど
相続財産の概略わかる範囲で財産・債務を記載

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申述書内容の誤り等があった場合、家庭裁判所から確認や補正、再提出を求められる場合もあります。

ステップ4|家庭裁判所へ提出する

相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。自分の住所地の家庭裁判所ではない点に注意しましょう。

提出方法は、窓口または郵送で行います。提出前には、次のものを確認してください。

確認項目内容
申述書記入漏れ、誤りがないか
戸籍類必要な戸籍がそろっているか
住民票除票・戸籍附票被相続人の最後の住所確認に使う
収入印紙申述人1人につき800円分
郵便切手提出先の家庭裁判所ごとに異なります
提出先被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

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ステップ5|照会書に回答する

申述書を提出した後、家庭裁判所から照会書が届く場合があります。

照会書では、相続放棄の意思、相続開始を知った日、財産を処分していないかなどを確認されることがあるため提出した相続放棄申述書の控えを手元に残しておく必要があります

回答内容に不整合や疑問がある場合は、家庭裁判所から追加で書面や電話で確認されることがあります。

ステップ6|受理通知書の発行

相続放棄が受理されると、家庭裁判所から受理通知書が届きます。債権者から請求が来ている場合は、この受理通知書を提出し完結することが一般的です。

相続放棄の手続きで必要になる書類

相続放棄の手続きで必要になる書類

相続放棄に必要な書類は、共通して必要になるものと、申述人の続柄によって追加されるものに分けると整理しやすくなります。

共通して必要になる書類

相続放棄の申述では、共通書類として、相続放棄申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本などを準備します。

書類内容
相続放棄申述書家庭裁判所へ相続放棄の意思を伝える書類
被相続人の住民票除票または戸籍附票被相続人の最後の住所地を確認するための書類
申述人の戸籍謄本申述人が相続人であることを確認するための書類

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配偶者・子・親・兄弟姉妹などの続柄で追加書類が変わる

追加で必要な書類は、申述人の続柄が配偶者や子なのか、または直系尊属や兄弟姉妹なのかによって異なってきます

兄弟姉妹や甥姪が相続放棄する場合、先順位の相続人がいないことを戸籍で確認する必要があるため、書類が多くなりやすいです。

申述人の続柄必要な戸籍の範囲の考え方
配偶者、子共通の書類のみ(自身の戸籍、被相続人の死亡の記載がある戸籍)
孫やひ孫など自身の親が被相続人よりも先に亡くなっていることが分かる戸籍が追加となります(代襲関係を示す戸籍など)
親・祖父母など被相続人に子が居ないことを確認するための戸籍が追加となります(被相続人の出生から死亡までの戸籍など)
兄弟姉妹・甥姪など被相続人に子がなく、親も死亡しており、兄弟姉妹が相続人になることを確認するため戸籍が追加となります(上記までの戸籍に加え、直系尊属の死亡の記載がある戸籍、兄弟姉妹の関係を示すための戸籍など)

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書類がそろわない場合はどうすればよいか

3か月の期限が迫っている場合、すべての戸籍がそろうまで待つと期限に間に合わない場合や、期限内に検討が間に合わない場合は、事前に期限を延ばす手続きを裁判所に行うことができます

焦って相続放棄の書類を出そうとせず、状況を冷静にみると、スムーズに手続きが進められる場合もあります。

具体例内容
複数で相続放棄を同時に進めている場合は、同じ戸籍は1通で足りる同じ戸籍を重複提出しなくてよいので、相続人間で連携することで、早く進めることができる
先に相続放棄している人がいる場合、提出済みの戸籍は出さなくても良い先行する相続放棄で提出済みの書類は省略できるので、提出済みの書類を確認することで、取るべき戸籍を少なくすることができる

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相続放棄の手続きにかかる費用

相続放棄の手続きにかかる費用

相続放棄の費用は、自分で手続きする場合と、専門家に依頼する場合で大きく変わります。

自分で行う場合は、裁判所へ納める収入印紙や郵便切手、戸籍取得費用が中心です。

自分で相続放棄する場合にかかる費用

裁判所の「相続の放棄の申述」では、相続放棄の申述費用は、申述人1人につき収入印紙800円分と郵便切手です。郵便切手は家庭裁判所によって異なるため、申述先の家庭裁判所に確認する必要があります。

費用項目目安・内容
収入印紙申述人1人につき800円分
連絡用郵便切手家庭裁判所ごとに異なる
戸籍謄本等の取得費用戸籍の種類・通数により異なる
住民票除票・戸籍附票の取得費用自治体により異なる
郵送費郵送提出や戸籍請求をする場合に必要

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戸籍証明書の手数料は自治体の公式サイトで確認できます。札幌市では、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)は1通450円除籍全部事項証明書(除籍謄本)・改製原戸籍謄本などは1通750円です。また、戸籍の附票は1通400円です。

専門家に依頼した場合の費用相場

相続放棄を専門家に依頼した場合の費用は、公的に一律で決まっているものではなく、依頼先や対応範囲によって異なります

申述書の作成のみか、戸籍収集まで含むのか、債権者対応まで依頼するのかによって金額が変わるため、以下はあくまで目安として確認し、正式な費用は各事務所に相続の内容を伝えた上で確認しましょう

依頼先費用目安主な対応範囲注意点
司法書士約3〜8万円相続放棄申述書など家庭裁判所提出書類の作成、戸籍収集、必要書類の確認債権者との交渉や紛争対応には制限があるため、依頼範囲を確認する
弁護士約5〜15万円相続放棄手続き、債権者対応、相続人間トラブル、期限超過時の事情整理など借金の請求、紛争、期限経過、訴訟・支払督促がある場合に検討しやすい

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費用だけで判断せず、依頼すべきケースも確認する

相続放棄は自分でできる場合もありますが、費用を抑えることだけを優先すると、結果的にリスクが高くなることがあります

専門家相談を検討すべきケース理由
3か月の期限が近い期限を過ぎると相続放棄ができなくなる
借金や保証債務がある債権者対応が必要になることがあるため
相続財産を使ってしまった相続放棄ができないケースか検討する必要があるため
兄弟姉妹や甥姪が相続人戸籍収集が複雑になりやすいため
不動産・空き家・車がある処分や管理に注意が必要であり、単に相続放棄したのみでは、問題が解決しない可能性があるため

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費用だけでなく、「相続放棄ができなくなってしまうリスク」も含めて判断しましょう

相続放棄の手続きは自分でできる?専門家に相談すべきケース

相続放棄の手続きは自分でできる?専門家に相談すべきケース

相続関係がシンプルで期限に余裕がある場合は、自分で行える可能性がありますが、複雑な事情がある場合は専門家に相談するのが安全です

自分で手続きできる可能性があるケース

自分で進めやすいケース理由
期限まで余裕がある書類を落ち着いて集められる
相続人が配偶者や子などでシンプル必要書類が比較的少ない
借金の存在が明確放棄の判断がしやすい
平日に時間を作ることができる役所や家庭裁判所とのやり取りに対応ができる

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相続放棄手続きは、厳格な手続きが定められており、自分でできると思っていても、思わぬ落とし穴によって相続放棄ができず、取り返しがつかなくなる可能性もあります。少しでも気になることがあれば、一度専門家に相談しましょう。

専門家に相談した方がよいケース

相談した方がよいケース理由
期限が迫っている書類不足や記載ミスが大きなリスクになる
死亡から3か月以上経っている起算点や事情説明が重要になる
債権者から請求が来ている支払い約束をしないよう慎重な対応が必要
相続財産を一部使ってしまった単純承認にあたるか判断が必要
兄弟姉妹・甥姪が相続人戸籍収集が複雑になりやすい
未成年者や成年被後見人が相続人法定代理人・特別代理人の確認が必要
不動産・空き家・車がある管理・処分の判断に注意が必要

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未成年者が相続人になる場合、親が当然に代理できるとは限りません

親と子が共同相続人で、子だけが相続放棄する場合などは、利益相反が問題になり、特別代理人の選任が必要になる場合があります。

相談前に準備しておくとよい資料

資料目的
死亡日がわかる資料期限の確認
戸籍・住民票除票相続関係や管轄裁判所の確認
督促状・請求書借金や債権者の確認
通帳・残高がわかる資料預貯金の確認
固定資産税通知書不動産の有無の確認
車検証車の名義確認
保険証券生命保険金の受取人確認
故人の郵便物・メール債務や契約の確認

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すべての資料がそろっていなくても、相談は可能です。期限が迫っている場合は、資料集めよりも先に相談してください。

相続放棄で失敗しないための注意点

相続放棄で失敗しないための注意点

相続放棄では、期限超過、財産処分、書類不備、照会書への回答不備などが問題になりやすいです。特に、相続財産を使ったり処分したりすると、相続放棄できない可能性があります。

相続放棄を検討している間は、故人の財産を動かさないことが基本です。

相続財産を使う・売る・処分するのは避ける

相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合などに、単純承認をしたものとみなされます。

避けるべき行為理由
故人の預金を使う相続財産を消費したと判断される可能性がある
不動産を売却する財産処分にあたる可能性がある
車を売却・廃車する処分行為と判断される可能性がある
家財や貴金属を売る換価処分にあたる可能性がある
故人の財産から債務を返済する単純承認や債務承認と評価される可能性がある

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なお、財産の保存行為、葬儀費用の支払いなどは事情により判断が分かれることがあるため、「これは大丈夫」と自己判断せず、事前に専門家へ確認しましょう

相続放棄をすると次順位の相続人に権利が移る

相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったものとして扱われ、次に引き継ぐべき者に相続権が移ります

放棄する人次に相続人になる可能性がある人
子、または子の代襲相続人を含む第1順位の相続人全員が相続放棄した場合親・祖父母などの直系尊属が相続人になる可能性があります。
子・孫などの第1順位相続人がおらず、親・祖父母などの直系尊属もいない場合兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。
兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合その兄弟姉妹の子である甥・姪が相続人になる可能性があります。

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借金がある相続では、自分が相続放棄することで、次順位の親族が相続人になる可能性があります。

必要に応じて、相続放棄した事実を共有しておくとよいでしょう。

3か月以内に判断できない場合は期間伸長を検討する

財産や借金の調査が間に合わない場合は、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てられます。

裁判所の「相続の承認又は放棄の期間の伸長」では、熟慮期間内に相続財産の状況を調査しても判断できない場合、家庭裁判所は申立てにより熟慮期間を伸長できます。

ただし、期間伸長は必ず認められるものではありません。申立てをすれば自動的に延長されるわけではないため、3か月を過ぎる前に早めに対応しましょう。

期間伸長を検討すべきケース理由
借金の有無がわからない放棄するか判断できないため
不動産の価値が不明、複雑プラス財産かマイナス財産か判断しにくいため
相続人が多い情報収集に時間がかかるため
遠方の実家や空き家がある調査に時間がかかるため
複数の債権者から請求がある債務額の把握が必要なため

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相続放棄は一度受理されると撤回できない

相続放棄は、一度受理されると撤回できません民法第919条では、相続の承認および放棄は、相続放棄の期限内であっても撤回できないと定められています。

つまり、相続放棄が受理された後に「実は預貯金があった」「価値のある不動産が見つかった」とわかっても、やり直すことはできません。

ただし、詐欺や強迫など一定の事情がある場合は、取消しが問題になることがあります。通常は簡単に覆せるものではないため、相続放棄をする前に財産と借金をできる範囲で確認しましょう。

相続放棄は、借金を避けるために有効な手続きですが、プラス財産も失う選択です

申述が受理されないケースもある

相続放棄の申述は、提出すれば必ず受理されるとは限りません。

期限を過ぎている、相続財産を処分した疑いがある、照会書への回答内容に不整合がある場合などは、家庭裁判所から確認を求められる可能性があります。

受理がスムーズに進まない可能性があるケース注意点
期限を過ぎている起算点や事情説明が重要
預金を使っている単純承認と判断される可能性
車や家財を処分している財産処分の有無が問題になる
照会書の回答に不整合がある追加確認が入る可能性
財産状況の説明が曖昧補足資料が必要になる場合

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期限超過でも事情によって判断が分かれる場合があります。個別事情がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。

相続放棄が受理された後に行うこと

相続放棄が受理された後に行うこと

相続放棄は、受理通知書を受け取って終わりではありません。債権者への対応、受理証明書の取得、財産の保存義務、不動産や車の扱いなど、受理後にも注意すべきことがあります。

相続放棄後も、故人の財産を勝手に処分しないことが大切です。

受理通知書・受理証明書を保管する

相続放棄が受理されると、家庭裁判所から受理通知書が届きます。債権者や金融機関から相続放棄を証明する書類を求められた場合は、受理通知書の写しや受理証明書を提出することがあります。

受理証明書については、家庭裁判所ごとに申請書式が用意されていることがあります。札幌家庭裁判所の「受理証明書が必要な方へ」では、相続放棄申述受理証明書を申請する場合、証明書1通あたり収入印紙150円分が必要です。郵送で申請する場合は、返信用封筒と重量に応じた返信用切手も同封します。

書類内容取得方法
受理通知書相続放棄が受理されたことを知らせる書類受理後に家庭裁判所から送付される
受理証明書相続放棄が受理されたことを証明する書類必要に応じて家庭裁判所へ申請する

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受理通知書は紛失しないよう保管しましょう。債権者対応や相続手続きで必要になることがあります。

債権者から請求が来た場合の対応

相続放棄しても自動的に放棄の事実が各所に共有されることはありません。なので、貸金業者、カード会社、保証会社、税金関係、家賃関係などから請求が来ることがあります。

この場合は、相続放棄済みであることを受理通知書や受理証明書を提出し伝える必要があります

請求が来たときの対応注意点
相続放棄済みであることを伝える口頭だけでなく書面提出を求められることがある
受理通知書・受理証明書を提示するコピー提出で足りるか確認する
支払いを約束しない相続放棄したとしても債務を認めたと見られる可能性がある
訴状や支払督促が届いた場合放置せず専門家へ相談する

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相続放棄をした後でも、債権者からの書類を無視するのは避けた方が安全です。特に裁判所からの書類が届いた場合は、早めに専門家へ相談してください。

相続放棄後も財産の管理が問題になる場合がある

相続放棄をすれば、必ずすべての管理責任から直ちに解放されるわけではありません

民法第940条では、相続放棄をした者が放棄時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人または相続財産清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産と同一の注意をもって保存しなければならないと定められています。

ケース注意点
故人の家に住んでいる退去を求められる可能性が生じる
故人の車を保管している勝手に処分せず、次の相続人や専門家に確認
空き家が存在している防犯・雨漏りなど最低限の保存管理を求められ、倒壊等が起きると責任を追及される可能性がある
家財を保管している売却や処分は慎重に判断

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「相続放棄したから何をしても関係ない」と考えるのは危険です。空き家、不動産、車、家財が残っている場合は、注意しましょう

不動産・車・口座などの手続きは個別に確認する

相続放棄後の不動産・車・口座の扱いは、個別事情によって判断が変わります。

財産注意点
不動産放棄後に売却・解体はできない
名義変更・廃車・売却はできない
銀行口座口座解約や預金払戻しはできない
家財処分は注意が必要
空き家相続放棄しても保存管理の義務は残る

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相続放棄の手続きでよくある質問

相続放棄の手続きでよくある質問

相続放棄では、期限、費用、兄弟全員の放棄、葬儀費用、車や家の処分などで迷う方が多いです。ここでは、よくある質問に簡潔に回答します。

詳細な事情によって判断が変わる場合があるため、迷う場合は専門家へ相談しましょう。

相続放棄の期限を過ぎたらどうなりますか?

借金を後から知ったケースなど、事情によって例外的に認められる可能性があります

相続人のうち一人だけ相続放棄できますか?

相続放棄は、相続人ごとに行う手続きです。そのため、相続人のうち一人だけが相続放棄することが可能です

相続人全員が相続放棄する場合はまとめて一人で手続きできますか?

相続人全員が相続放棄する場合でも、代表者がまとめて放棄するのではなく、それぞれで家庭裁判所へ申述書を提出する必要があります

相続放棄をしても葬儀費用は払ってよいですか?

葬儀費用の支払いが相続放棄に影響するかどうかは、金額等の事情によって判断が変わります

明確な金額等の基準があるわけではありませんので、不安がある場合は、支払い前に専門家に相談することをお勧めします。

相続放棄した後に車や家を処分できますか?

相続放棄後に処分することは原則としてできません

相続放棄の手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?

具体的な期間は、家庭裁判所や事案によって異なります

親の相続放棄などのシンプルなものであれば、1か月ほどですべて完了する可能性がありますが、兄弟相続等の複雑な相続になると3ヵ月以上経過する可能性は低くありません。

また、戸籍収集の時間が原因で期限が過ぎても認められませんので、注意が必要です。

まとめ|相続放棄の手続きは期限と財産の扱いに注意して進めよう

相続放棄で特に重要なのは、放棄の期限、財産内容の確認、相続財産を使用しないことです

要点内容
期限自己のために相続の開始があったことを知ったときから原則3か月以内
申述先被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
費用申述人1人につき収入印紙800円分+連絡用郵便切手など
必要書類申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本など
注意点預金使用・不動産売却・車処分などは避ける
受理後受理通知書・受理証明書を保管し、債権者対応に使う

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相続放棄は、単純にみえて、少しのことで取り返しがきかなくなる重要な手続きです。

少しでも不安や気になることがあれば、早めに専門家に相談し、適切に相続放棄を行うことが重要です。

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